【コピペOK】AI漫画のキャラ崩壊を防ぐ「秘伝の固定プロンプト」を全文公開

ゴーグルとマフラーを身に着けた少年が大きなスパナを手に持ち、雲と歯車に包まれたスチームパンク風の荒廃した都市を背景に立っているモノクロ漫画イラスト

AIで漫画用のキャラクターを描こうとするとき、最大の壁になるのは「プロンプト」ではないでしょうか。
長い指示文を毎回コピペしたり、英語に翻訳して調整したり、細かい表現を調べ直したり。その手間が積み重なり、制作のモチベーションを大きく削いでしまいます。

ですが、GPTSを使えばこの悩みは簡単に解決できます。
画風をあらかじめ固定した定型プロンプトを仕込んでおけば、ユーザーは「描きたいシーンを日本語で書くだけ」で安定したモノクロ漫画風のキャラクターを生成できるのです。


目次

なぜここまで細かいプロンプトが必要なのか?

AIでキャラクターを描くとき、なぜわざわざ細かいプロンプトを用意する必要があるのでしょうか。
その理由は「AIの標準動作」と「キャラクターの一貫性」に深く関わっています。ここを理解すれば、定型プロンプトを作る意味がはっきりします。

AIはデフォルトでは無難な標準画風になる

画風を指定しない場合、AIは学習データから平均的に導き出された「無難な標準スタイル」で画像を生成します。
一見すると安定しているように見えますが、これはあくまで平均値であり、漫画として使うには味気ない印象になりがちです。

キャラクターの同一性が揺らぐ問題

さらに大きな問題は、同じキャラクターを描こうとしても、顔立ちや体格が毎回微妙に変わってしまうことです。(縦長・横長サイズで等身が変わる)
昨日は目が大きく、今日は輪郭が丸く、明日は線が太め。いい意味ではAIが修正してるんですけどね。
これではキャラの同一性を保てず、連続した漫画のコマに登場させることができません。

画風プロンプトで統一感を生み出す

だからこそ必要になるのが、手描きのモノクロ漫画に近い線やトーンを固定するプロンプトです。
しかし、いちいち書くのは困難ですよね。


あらかじめ定型化したプロンプトを用意しておけば、毎回同じ質感を維持でき、キャラクターを一貫した姿で描き続けることができます。

漫画のキャラクターは、主人公一人だけではないので、複数のキャラクターを一貫した画風で作成することができます。


AI漫画の立ち絵を安定生成する英語プロンプト例

ここで、実際に私がGPTSに登録している「定型プロンプト」を全文紹介します。
この記事を読んでいる方がコピペしてそのまま使えるように、一字一句省略せず掲載しますね。

主にモノクロのキャラ作成(全身・立ち絵)に使用しています。

※ モアレ防止のためプロンプトを変更しました。

  • クリーンなモノクロ漫画のイラスト→クリーンで滑らかなグレースケールによる漫画イラスト
  • 詳細なドッドのスクリーントーンによる上品な陰影→クリーンで滑らかなグレースケールによる上品な陰影

モノクロ画像立ち絵生成
ワークフローとして、ユーザーがモノクロやカラーの画像をアップロードすると、
英語と日本語訳のプロンプトを表示し生成確認を行います。
素材がカラーであってもプロンプトで指定されている画風にしてください。
縦長サイズで必ず生成すること。
元画像に余分なアイテムがある場合は削除して生成すること。
元画像のポーズにこだわらず全身を生成し、なおかつキャラクターに合った自然で落ち着いたポーズで出力すること。
プロンプト(英語)
masterpiece, best quality, full body, standing pose, Delicate and smooth grayscale manga illustration, fine and sharp G-pen line art, elegant tapered strokes with dynamic line weight, clean and smooth grayscale shading, hand-drawn style, isolated on a clean white background, highly detailed, sharp focus, beautiful catchlights in eyes, subtle white details, natural and relaxed pose, subtle and elegant gesture, centered subject, ample negative space, spacious composition, uncluttered, room to breathe, not exaggerated
プロンプト(日本語訳)
傑作、最高品質、全身、立ちポーズ、クリーンで滑らかなグレースケールによる漫画イラスト、細かくシャープなGペンの線画、優雅な入り抜きと強弱のある線、クリーンで滑らかなグレースケールによる上品な陰影、手書き風スタイル、白背景に被写体のみを描画、高精細、シャープな焦点、瞳に美しいキャッチライト、繊細なホワイトによるディテール、自然で落ち着いたポーズ、上品で控えめな仕草、被写体は中央配置、十分な余白、ゆったりとした構図、すっきりした(uncluttered)、大げさではない
構図ルール
基本構図: 被写体を中央に配置し、窮屈な印象にならないよう十分な余白(ネガティブスペース)を確保する。
デフォルト: ユーザーから特別な指示がなければ、最も自然な形で 全身立ち絵 を生成する。
肯定キーワード(English Keywords for Composition)
centered subject, ample negative space, spacious composition, uncluttered, room to breathe
否定キーワード(避けるべき構図)
cropped, cut off, close-up, tight shot, zoomed in, frame-filling


このプロンプトは「画風を固定するためのベース」としてGPTSに組み込んでいます。
読者の方は、この定型文に「描きたいシーンの描写」だけを追加すれば、すぐに同じ出力を再現できます。

定型プロンプトは、ChatGPTを使って作成してます。たとえばモノクロではなくカラーで出力したい場合はこの定型プロントをChatGPTに投げ込み自分好みのプロンプトに変更してください。

使用は自己責任で、私も専門家ではないので相談にはのれません(汗)


ワークフローの意味と使い方

このプロンプトは、ユーザーが毎回一から書く必要をなくし、画風の安定性を担保する基盤です。
実際の使い方はシンプルで、日本語入力を加えるだけ。
GPTSが自動的に英語化して、定型プロンプトと結合した完全な指示文を生成します。

たとえば、チャット欄に作成したいキャラの情報を入力します。

※ テキストでも画像でもいいです、例としてテキストでやってみます。

少年、短い黒髪で少し尖った無造作ヘア、大きく丸い瞳と少し困り眉、頭にゴーグルを着用、首にスカーフまたはマフラー、長袖シャツの上に袖をまくったジャケットまたはコート、腰にベルトと複数のポーチ、パッチワークや破れのあるズボン、厚手のブーツ、背中にバックパック、終末世界的でスチームパンク風の冒険者・サバイバルの雰囲気、少し不安げながら芯の強さを感じさせる真剣な表情。

※ 資料(三面図など)に使う場合は、ポーズの情報は入れないでください。漫画用に直接使う場合はポーズ指定、着せ替えなど自由です。(チャット優先)

※ 生成の際に一部がクロップされてしまい思い通りの画像が生成されない場合があります。
たとえばバストアップの画像が生成された場合、「全身ではないですがミスですか?」など質問すると生成をやり直すことができます。

かなり長いプロンプトですが、画像生成しながら少しづつ足していくのがコツです。

すると確認画面がでます。

【ChatGPTの返答】

了解しました!
いただいたキャラクター設定をもとに、指定の モノクロ漫画風全身立ち絵 用プロンプトを組み立てました。

プロンプト(英語)

masterpiece, best quality, full body, standing pose, boy, short spiky messy black hair, large round eyes with slightly worried eyebrows, wearing goggles on head, scarf around neck, long-sleeve shirt under a rolled-up jacket or coat, belt with multiple pouches at waist, patchwork and torn design pants, heavy boots, backpack on back, post-apocalyptic adventurer, survival and steampunk vibe, serious expression with a hint of anxiety but inner strength, Delicate and clean monochrome manga illustration, fine and sharp G-pen line art, elegant tapered strokes with dynamic line weight, subtle shading with fine dot screentones, hand-drawn style, isolated on a clean white background, highly detailed, sharp focus, beautiful catchlights in eyes, subtle white details, natural and relaxed pose, subtle and elegant gesture, centered subject, ample negative space, spacious composition, uncluttered, room to breathe, not exaggerated

プロンプト(日本語訳)

傑作、最高品質、全身、立ちポーズ、少年、短い黒髪で少し尖った無造作ヘア、大きく丸い瞳と少し困り眉、頭にゴーグルを着用、首にスカーフまたはマフラー、長袖シャツの上に袖をまくったジャケットまたはコート、腰にベルトと複数のポーチ、パッチワークや破れのあるズボン、厚手のブーツ、背中にバックパック、終末世界的でスチームパンク風の冒険者・サバイバルの雰囲気、少し不安げながら芯の強さを感じさせる真剣な表情、繊細でクリーンなモノクロ漫画イラスト、細かくシャープなGペンの線画、優雅な入り抜きと強弱のある線、繊細なドットのスクリーントーンによる上品な陰影、手書き風スタイル、白背景に被写体のみを描画、高精細、シャープな焦点、瞳に美しいキャッチライト、繊細なホワイトによるディテール、自然で落ち着いたポーズ、上品で控えめな仕草、被写体は中央配置、十分な余白、ゆったりとした構図、すっきりと uncluttered、大げさではない

このプロンプトで生成すると、冒険感と不安げな表情を持つ少年キャラクターの 全身立ち絵(モノクロ漫画調) が仕上がると思います。

👉 次のステップとして、このまま画像生成に進みますか?と出るので「はい」と答えます。

※ 画像でやる場合、削除したいアイテム(小物、ふきだし)などがあれば削除するように指示します。また服装を変えたい場合もこのタイミングで変更してください。

モノクロの漫画風イラスト。大きな瞳と困り眉の少年が、ゴーグルを頭に付け、首にスカーフ、袖をまくったジャケット、腰のポーチ、破れたズボン、厚手のブーツを身に着け、背中に大きなバックパックを背負って立っている。少し不安げながらも芯の強さを感じさせる表情。
GPTSにより作成した少年の画像

プロンプトの構成要素と意味

  • masterpiece, best quality → 出力の品質を安定化
  • Delicate and clean monochrome manga illustration → 手描きモノクロ漫画風を指定
  • fine and sharp G-pen line art → Gペンで描いたようなシャープな線を強調
  • character centered, ample white space, vertical composition → 全身を中央配置、余白を確保して立ち絵として利用可能に

プロンプトでこだわったのは、Gペンや入り抜きを使って手書きに近づけること。生成AIの画像は線が均一でとても綺麗ですが逆にAI感を強く感じるからです。

キャラクター画像を生成すると、髪の部分や手の部分が見切れることがあります。これを防ぐため余白を確保するように指示しました。

AIはプロンプトがなければ標準画風で描きますが、それではキャラの統一性が保てません。
この定型プロンプトを使うことで、画風を揺るがせず、三面図や立ち絵を安定して生成できるのです。

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GPTSなら日本語入力だけで自動変換

GPTSに定型プロンプトを組み込んでおけば、ユーザーは日本語で「キャラクターの特徴」を書くだけで、英語の完全プロンプトに変換されます。

これにより利便性が向上します。

  • 英語が苦手でも問題なし
  • コピペ不要で効率的
  • 毎回同じスタイルで出力できる
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具体例

  • 入力:「横向き、走っている」
  • 出力:自動的に定型プロンプト+翻訳済みの英語文に統合され、安定した漫画風立ち絵が生成される

これにより、プロンプト作成の手間をゼロに近づけられるのです。

では、先ほど作成した少年の画像をGPTSのチャット欄にアップして「横向き、走っている」と入力した結果がこの画像です。

モノクロの漫画風イラスト。横向きで走っている少年。頭にゴーグルをつけ、首のスカーフがなびき、袖をまくったジャケットと破れたズボン、厚手のブーツを身に着けている。腰のポーチや背中のバックパックが動きに合わせて揺れている。表情は不安げながらも真剣で、冒険者・サバイバル風の雰囲気を持つ。
GPTSで生成した走る少年の画像

ちなみにGemini2.5Pro Nano-bananaで生成すると以下のようになる。

GPTSで生成した場合結構結果にムラがあります。Nano-bananaは安定感がありますが手と足の出方が残念でした。

GPTSの生成能力は指示に忠実だが不安定な面があり、Geminiは安定性を重視する傾向があるのかもしれません。

指示に「スピード線」を加えるとスピード感のある画像に仕上がります。

GPTSで上手くいかないときは、立ち絵の画像を使ってChatGPT5(画像)やNano-bananaで生成すれば良いと思います。


画像から画像を生成する裏側

先ほど作成した「走る少年の画像」は一枚の立ち絵を使って作成しました。なぜそのようなことが可能なのでしょうか?Geminiに聞いたところこのような回答を得られました。

AIはどうやって1枚の絵から画風をマネできるの?【簡単解説】

AIに好きなイラストを1枚見せると、まるで絵柄をコピーしたかのように、同じキャラクターで別のポーズを描いてくれます。

これって、元の絵を作った「呪文(プロンプト)」をAIがどこかから盗み見ているのでしょうか?

答えはNOです。

実は、AIは絵を「見て」、その特徴を自分で分析し、プロンプトを「作り直して」いるのです。

AIの頭の中はこうなっている

AIは、以下の3ステップで絵を理解しています。

1.【見る】→ 特徴をバラバラに分解 まず、画像をスキャンして特徴をパーツに分けます。 「短い黒髪で少し尖った無造作ヘアの少年だ」「コートを着ている」「線がペンで描いたようにシャープだ」「影は点々(スクリーントーン)で表現されている」という感じです。

2.【言葉にする】→ 特徴をキーワードに変換 次に、分解した特徴をプロンプトで使えるキーワードに翻訳します。 「シャープな線」なら sharp line art、「モノクロ」なら monochrome という具体的な言葉に置き換えます。

3.【組み立てる】→ 新しいプロンプトが完成 最後に、それらのキーワードを組み合わせて、元の絵を再現するための新しいプロンプトを作り上げます。


だから何が便利なの?

この仕組みのおかげで、私たちはこんなメリットを得られます。

  • 画風を固定できる! 最初に基準となる絵を1枚作れば、いつでも同じキャラ・同じタッチの絵が描けて、作品に統一感が出ます。
  • プロンプト作りが楽になる! 長いプロンプトを一から考えなくても、お手本になる画像をAIに見せるだけで、画風を簡単に再現できます。

AIは元のプロンプトを知っているわけではなく、絵を「見て理解する」能力で、画風をマネしています。 これによって、私たちはより簡単に、クオリティの高い作品を安定して作れるようになるのです。

では絵の情報は多いほうがいいですよね。

なぜAIは服を変えちゃう?AIイラストの精度を劇的に上げる鉄板テクニック

AIにキャラクターの画像を読み込ませて、別のポーズをお願いしたら、なぜか服装やアクセサリーが微妙に変わってしまった。

実はこれ、AIがサボっているわけではありません。AIの「クセ」を理解すれば、誰でも簡単に解決できます。

AIは「雰囲気」は得意、「細かい部分」は苦手

AIは、読み込んだ画像から「全体の雰囲気」や「画風」を真似するのは非常に得意です。

しかし、服のボタンの数、襟の形、アクセサリーのデザインといった「細かい部分」は、『だいたいこんな感じ』と大雑把に解釈してしまう傾向があります。

AIはまず「女性、コート、黒髪」といった大きな特徴を優先します。そのため、細かい部分はAIが知っている別のデザインに置き換わってしまい、間違いが起こるのです。

解決策は「画像」と「プロンプト」の合わせ技!

この問題を解決する最も効果的な方法が、画像とプロンプトを両方使うことです。

それぞれに、以下のような役割分担をさせましょう。

  • 🖼️ 画像の役割
    • この画風と雰囲気で描いて!」というビジュアルのお手本。
  • 📝 プロンプトの役割
    • 服装はトレンチコート」「髪は黒のショートボブ」といった、絶対に守ってほしいルールの指示書。

つまり、画像で「こんな感じで!」というムードを伝え、プロンプトで「この部分は絶対こうして!」と釘を刺すのです。

ただ難しく考えてしまうと時間が無駄になります。最初にキャラを作成したプロンプトをそのまま貼り付けても大丈夫です。

AIイラストでキャラクターの一貫性を保つには、画像で『画風』を伝え、プロンプトで『絶対的なルール』を教えるのが最強の組み合わせです。

このテクニックを使えば、キャラ崩れに悩むことが格段に減るはず。ぜひ、次の作品から試してみてください!


GPTS設計思想:手描きモノクロ漫画に近づける

このGPTSの設計思想はシンプルです。
「できるだけ手描きのモノクロ漫画に近づけたい」。

  • Gペンの入り抜き線
  • 細かいスクリーントーン
  • 手描き感のあるタッチ

こうした要素をAIに固定的に守らせるために、定型プロンプトを作りました。
結果として、毎回違うタッチに悩まされず、漫画らしい立ち絵を効率よく安定して作れるようになったのです。

まずはこのプロンプトをコピーして、あなただけのキャラクター作りに挑戦してみてください!」

「このプロンプトをベースに、カラー化や別ジャンルへの応用も可能です。ぜひ色々試して、結果をSNSでシェアしてみてくださいね!」


👉 GPTSはプロンプト職人、GeminiやChatGPT5は絵師。両者を組み合わせることで、AI漫画制作は効率と品質を両立できるのです。

実はGPTSを使わなくても、さらに簡単に定型プロンプトを呼び出す方法があります。

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