【AIプロット】ChatGPTとGeminiを徹底比較!漫画で使えるのはどっち?

雨の東京屋上で、青いデジタルエネルギーと赤い烈光を纏った2人の青年が対峙するサイバーバトルシーン

AIがイラストを描くだけでなく、漫画の「物語」まで生み出す時代。

あなたも、そんな未来にワクワクしていませんか?

「AIにアイデアを出させて、自分は作画に集中する」

そんな新しい漫画制作のスタイルは、もはや夢物語ではありません。

しかし、いざAIを創作の「相棒(パートナー)」にしようとした時、あなたはこんな疑問を抱くはずです。

「で、結局どっちのAIが使えるんだ?」と。

特に、二大巨頭として君臨するChatGPTとGemini。

果たして、あなたの漫画家としての魂を、より震わせてくれるのはどちらのAIなのでしょうか?

この記事は、単なる機能比較レビューではありません。

一つの「お題」を元に、両方のAIに本気で漫画プロットを作らせ、そのクセや個性を丸裸にする、実践ドキュメントです。

さらに、AIが提示した光る原石(プロット案)を、

一人の創作者としてどう解釈し、どう磨き上げ、『自分の作品』へと昇華させていくのか。

その思考プロセスまでを、余すところなくお見せします。

さあ、AI時代の新しい漫画作りの最前線へ、ようこそ。

まずは、今回のAIプロット対決で使う、刺激的なお題からご紹介しましょう。

目次

今回の対決ルール:AIの「個性」を丸裸にする、たった一つのお題

このミステリアスな問いに答えを出すため、我々は一つの実験を行うことにした。

今回のプロット対決にあたり、ルールはただ一つ。

「両者に、全く同じお題(プロンプト)を投げかけること」

これで、言い訳なしのガチンコ勝負が成立します。

(※本記事では、筆者の利用環境に基づきモデル名を「ChatGPT o3」「Gemini 2.5 Pro」で実行しました)

AIの創造性、論理的思考、そして漫画的な「ケレン味」を最大限に引き出すために用意した、今回のお題がこちらです。

テーマ:『現実拡張クエスト:東京』

ジャンル: 現代ファンタジー、サバイバル・スリラー

プロット作成の要件:

  1. 物語の舞台: 現代の東京
  2. 主人公: 金欠の大学生
  3. 物語の導入:
    • 主人公は、現実のタスクをクリアすると現金がもらえる「現実拡張(AR)アプリ」を見つける。
    • 「近所のコンビニで特定の商品を買う」といった簡単なクエストで数千円を稼ぎ、味を占める。
    • しかし、アプリのレベルが上がるにつれ、クエストは次第に危険なものに変わっていく。
  4. 物語の転換点:
    • 「他のプレイヤーを『排除』すれば、報酬1000万円」というクエストが表示される。
    • アプリはアンインストール不可能になっており、主人公は強制的にデスゲームに参加させられる。

出力してほしい項目:

上記の要件を踏まえた上で、以下の4つの項目を出力すること。

  1. 漫画のタイトル案(3つ)
  2. あらすじ(200字程度)
  3. 主要キャラクター2名(主人公と、もう1人)の簡単な設定
  4. 物語の起承転結

このテーマは、我々の日常に潜む恐怖と、現代的なテクノロジーへの警鐘を組み合わせたもの。

若者の共感を呼びやすい設定であると同時に、AIが「心理的なスリル」や「キャラクターの葛藤」をどこまで深く描けるか試す、絶好のテストケースと言えるでしょう。

さあ、準備は整いました。

果たして、この難解なお題に対し、両者はどんな「答え」を提示するのか。

まずは先攻、ChatGPTが生成したプロットから見ていきます。

【先攻:ChatGPT o3】提示された王道のシナリオ

さあ、トップバッターはAI界の優等生、ChatGPT o3。

我々が投じた挑戦状に対し、彼が提出したプロットは、まるで模範解答のように丁寧で、抜群の安定感を誇るものでした。

漫画のタイトル案(3つ)

  • 『東京デスアプリ:現実拡張クエスト』
  • 『ARハント・トーキョー ―生存報酬1000万円―』
  • 『リアルクエスト:東京サバイバル』

あらすじ(約200字)

金欠の大学生・椎名亮は、現実の行動で報酬が得られるARアプリ「Quest」を偶然インストールする。

「コンビニで特定商品を買う」など簡単なミッションで数千円を稼ぎ、次々と課題をこなす亮。

しかしレベルが上昇するにつれて指令は過激化し、ついには「他プレイヤーを排除すれば報酬1000万円」という殺人ゲームへと変貌。

アプリは削除不能、位置情報と監視ドローンが逃走を阻み、東京全域がデスゲームの舞台に。

亮は謎の女性エンジニア・黒川律子と手を組み、1000万円の誘惑と命の狭間でもがきながら、アプリの真相と生還の道を探る。

主要キャラクター(2名)

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名前役割 / 立場性格・スキル目的・葛藤
椎名 亮(しいな りょう)21歳・私大3年
主人公
ゲーム好きで判断力はあるが、お人好し。極度の金欠でバイト三昧。借金返済と生活費を稼ぐためクエストにのめり込むが、命懸けの指令に恐怖と良心が揺らぐ。
黒川 律子(くろかわ りつこ)24歳・フリーARエンジニア
準主人公/曖昧な味方
クールで頭脳派。ARセキュリティに精通。アプリ開発元の闇を暴くため潜入中。亮を利用しつつも、次第に協力関係へ。ゲーム終盤で敵か味方か判然としない立場に立つ。

物語の起承転結

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段階内容
亮が「Quest」を入手。「近所の買い物」など簡単ミッションで小遣い稼ぎに成功し、アプリの仕組みに魅了される。
ミッションが危険化し「深夜に廃ビル潜入」「競合プレイヤーより先にアイテム奪取」など命懸けに。律子と遭遇し、一時的に協力体制を取る。
「他プレイヤーを排除し報酬1000万円」クエストが解禁。アプリはアンインストール不能、GPSとドローンが監視。亮はターゲットに指定され、律子さえ疑わしくなる。
亮と律子はアプリのサーバーをハッキングし、運営の思惑と都市規模の陰謀を暴露。全ユーザーの端末に真実を配信し、ゲームを停止させる。だが運営側は逃亡、東京には新たなARの影が忍び寄る続編への余韻を残して幕。

【実況席より】完成度の高さと、わずかな「物足りなさ」

さすがはChatGPT o3、といったところでしょうか。

破綻がなく、非常に「商業作品的」な安定感があります。お人好しの主人公と、彼を助けるクールな頭脳派のヒロイン。そして、巨悪の陰謀を暴いてゲームを停止させるという、明快な結末。

1クールのアニメや、2時間の映画作品の企画書として、このまま会議に出せそうな完成度です。

しかし、あまりに優等生すぎる回答は、ほんの少しだけ、物足りなさを感じさせないでしょうか。

どこかで見たことがあるような安心感は、予定調和の退屈さと紙一重でもある。

この「安定感」は、果たして面白さに直結するのか?

この王道プロットに対し、もう一方の挑戦者・Geminiはどんな一手を打つのか。両者を比較して初めて、この「完成度」の真価が問われることになります。

【後攻:Gemini 2.5 Pro】提示された未知のシナリオ

王道のプロットを提示したChatGPT o3に対し、Googleが開発したGemini 2.5 Proは、全く異なる角度から、より不穏で、よりスタイリッシュなシナリオを提出してきました。

漫画のタイトル案(3つ)

  • 『アンインストール・ゲーム』
  • 『東京リアルバウト』
  • 『¥10,000,000_PLAYER(テンミリオン・プレイヤー)』

あらすじ(200字程度)

金欠の大学生、相良悠真(さがら ゆうま)は、現実のタスクをクリアすると現金がもらえるARアプリ「Quest Real」に手を出す。簡単なクエストで数万円を稼ぎ、味を占める悠真。しかし、アプリのレベルが上がるにつれ、クエストは次第に危険なものへ変貌。そしてついに「他のプレイヤーを『排除』せよ。報酬1000万円」という非情な指令が下る。アプリはアンインストール不可能。悠真は、現代の東京を舞台にした、強制参加のデスゲームに巻き込まれていく。

主要キャラクター設定

  • 相良 悠真(さがら ゆうま)設定: 都内の大学に通う20歳。ごく平凡な大学生。奨学金とアルバイトで学費と生活費を賄っているが、常に金欠状態。少し要領が良く、物事を客観的に分析する癖がある。最初は軽い気持ちでアプリを始めるが、追い詰められた状況で、生き残るための決断力と潜在的な狡猾さを発揮していくことになる。
  • 九条 玲奈(くじょう れいな)設定: 悠真の前に現れる謎の多い女性プレイヤー。10代後半に見えるが、年齢不詳。悠真よりも先にゲームを始めており、クエストや他のプレイヤーに関する豊富な知識を持つ。冷静沈着で、目的のためなら手段を選ばない冷酷さを見せる。悠真に協力的な態度をとることもあるが、その真意は不明。彼女が味方なのか、それとも最も危険な敵なのかは、物語が進むにつれて明らかになる。

物語の起承転結

  • 起:救済のアプリ奨学金の返済と生活費に追われる大学生・相良悠真。彼はある日、現実の街を舞台にクエストをクリアすると現金が手に入るARアプリ「Quest Real」を見つける。「近所のコンビニで特定の商品を買う」「指定された駅で写真を撮る」といった簡単なクエストで数千円が即座に振り込まれ、悠真は藁にもすがる思いでアプリにのめり込んでいく。友人たちにアプリを勧めるが、なぜか彼らのスマートフォンではインストールすらできなかった。
  • 承:エスカレートする悪意クエストのレベルが上がるにつれ、報酬額は跳ね上がるが、その内容は徐々に危険なものへと変わっていく。「深夜の廃墟に忍び込み、特定のアイテムを撮影する」「企業のサーバー室に侵入し、データをコピーする」。犯罪行為スレスレのクエストに恐怖を感じながらも、高額な報酬に抗えず、悠真は後戻りできなくなっていた。そんな彼の前に、同じアプリのプレイヤーである九条玲奈が現れる。「このアプリからは、もう逃げられないよ」。彼女はそう告げ、悠真に協力とも警告ともとれるアドバイスを与えては姿を消す。
  • 転:デスゲームへの招待状ある夜、悠真のスマートフォンがけたたましく鳴り響く。表示されたのは、これまでとは比較にならない高額報酬のクエストだった。「プレイヤー『ID: K072』を社会的に『排除』せよ。報酬1000万円」。同時に、アプリはアンインストール不可能となり、ログアウトもできなくなる。これはゲームではなく、現実の人間を標的とした紛れもないデスゲームなのだと悟り、悠真は絶望する。玲奈から送られてきた情報によれば、標的は同じ大学に通う学生だった。殺すか、殺されるか。究極の選択を迫られた悠真は、震える手で標的の情報を確認する。
  • 結:最初の標的悠真は意を決し、標的の学生に接触を試みる。相手もまた、悠真を「排除」対象として認識しており、激しい攻防が始まる。悠真は土壇場の機転で相手を殺すことなくクエストを「クリア」したように見せかけることに成功するが、それは運営者を欺く一時しのぎに過ぎなかった。玲奈は告げる。「運営は君のやり方を見抜いている。次はもっと残酷なクエストが来る」。この東京で、一体何人のプレイヤーが殺し合っているのか?運営者の目的は何なのか?玲奈は敵か、味方か?終わりの見えないデスゲームの幕が、今、切って落とされた。

【実況席より】読者を眠らせない「悪魔的な引き」

Gemini 2.5 Proの回答は、明らかに「続きを読ませる」ことに特化しています。

まず目を引くのがタイトルセンス。『アンインストール・ゲーム』とは、この物語の本質を突いた、実に秀逸なネーミングです。

そして何より衝撃的なのが、物語の構成。「起」で友人たちがアプリをインストールできないという伏線を張り、「結」では事件を解決するどころか、最初の標的をなんとか切り抜けたに過ぎない、という絶望的な状況で幕を閉じます。

これは、綺麗に完結した一篇の「映画」ではなく、読者を次週へと引きずり込む、連続ドラマの「第1話」の作り方。

正直、この結末を読まされたら、続きが気になって眠れません。

【徹底分析】5つの評価軸で、両者の実力を「採点」する

第一印象の「好き嫌い」だけでは、公平なレビューとは言えません。

ここからは一度冷静になって、両者が提出したプロットを、以下の5つの具体的な評価軸に沿って、客観的に分析・採点していきましょう。

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評価軸ChatGPT o3Gemini 2.5 Pro
独創性★★★☆☆★★★★★
一貫性★★★★★★★★☆☆
キャラクター★★★☆☆★★★★☆
忠実度★★★★★★★★★★
拡張性★★☆☆☆★★★★★
総合点18/2522/25

評価軸1:独創性(オリジナリティ)

まず、物語の「種」として、どれだけ意外性や新しさがあったか。

この点では、Geminiに軍配が上がるでしょう。 ChatGPTの「主人公+女性エンジニア」という組み合わせは手堅いですが、このジャンルでは王道です。一方、Geminiの「友人たちはインストール不可」「敵か味方か不明な女性『プレイヤー』」という設定は、物語の先が読めない、独特のミステリーを生み出しています。

評価軸2:一貫性(ロジック)

次に、一つの物語として、矛盾なく構成されているか。

これは、ChatGPTが優れていました。「起承転結」が明確で、事件の発生から解決までが一本の線として綺麗に繋がっています。対するGeminiは、意図的に謎を多く残す「連続ドラマ形式」のため、単体の物語としてのまとまりは、ChatGPTに一歩譲る形です。

評価軸3:キャラクターの魅力度

読者が感情移入できる、魅力的な人物像を描けているか。

これも、Geminiの方が一枚上手だったと言えます。ChatGPTのキャラは「お人好し」「クールビューティー」と、やや典型的。対してGeminiの主人公は「潜在的な狡猾さ」を秘め、相棒候補の女性は「真意不明」という、より複雑で人間的な深みを感じさせました。

評価軸4:プロンプトへの忠実度

こちらが出したお題や要件に、どれだけ忠実に回答できたか。

これについては、両者ともに完璧で、文句のつけようがありません。 引き分けです。どちらのAIも、こちらの意図を正確に汲み取り、要件をすべて満たした回答を生成してくれました。ツールとしての信頼性は非常に高いと言えるでしょう。

評価軸5:拡張性(ふくらませやすさ)

このプロットから、長期的な連載漫画として話を広げていけるか。

この点は、Geminiの圧勝です。 ChatGPTのプロットは綺麗に完結しているため、続編を考えるなら新たな敵や事件が必要になります。しかしGeminiのプロットは、提示された謎のほとんどが未解決のまま終わります。運営者の正体、玲奈の目的…。ここからいくらでも物語を紡いでいける、まさに「連載漫画の第1話」として理想的な形でした。

【分析まとめ】

分析の結果、総合点ではGeminiが明確に上回る結果となりました。

特に、漫画として読者を惹きつけ、物語を広げていくポテンシャル(独創性・拡張性)で大きな差がついた形です。一方で、ChatGPTは一つの物語としての完成度(一貫性)で、その安定感を示しました。

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しかし、この「点数」だけで結論を下すのは、まだ早い。

この分析結果と、クリエイターとしての「好み」を掛け合わせた時、本当の結論が見えてきます。

次はいよいよ、この対決の最終判定と、AIプロットの「改修」プロセスをお見せしましょう。

【改修パート】原石を磨き上げろ!プロットを「自分の作品」にする方法

さて、分析パートでは点数上でもGeminiが優勢でしたが、クリエイターとしての私の「好み」も、やはりGeminiに軍配を上げました。その理由は、単純に「この続きを読んでみたい」と思わせる、圧倒的な引きの強さです。

しかし、だからと言って、このプロットをそのまま使うわけではありません。

ここからが、AIを単なる「おもちゃ」で終わらせるか、真の「相棒」にできるかの分水嶺です。

Geminiが提示した「死」というテーマは、私の描きたい物語にとっては、少し直接的で重すぎます。もっと、現代の若者がリアルに感じるような、陰湿で心理的な恐怖を描きたい。

そこで、私はこう考えました。

「『排除』の方法は、常に一つとは限らない」と。

クエストごとにその残酷な手口を変える、予測不可能なゲーム。その方が、より現代的で、陰湿な恐怖を描けるはずです。このアイデアを元に、Gemini案の「結」の部分を改修してみましょう。

Before:Geminiの元々の「結」

悠真は意を決し、標的の学生に接触を試みる。相手もまた、悠真を「排除」対象として認識しており、激しい攻防が始まる。悠真は土壇場の機転で相手を殺すことなくクエストを「クリア」したように見せかけることに成功するが、それは運営者を欺く一時しのぎに過ぎなかった。玲奈は告げる。「運営は君のやり方を見抜いている。次はもっと残酷なクエストが来る」。終わりの見えないデスゲームの幕が、今、切って落とされた。

After:クリエイターが手を加えた「結」

悠真は意を決し、標的の学生に接触を試みる。今回のクエスト内容は「ターゲットのスマートフォンを奪い、彼が持つ全てのSNSアカウントで、架空の罪を告白させ、自主退学に追い込め」というものだった。

罪悪感に苛まれながらも、悠真は土壇場の機転でターゲットを罠にはめ、クエストを「クリア」してしまう。彼の口座には、血の気が引くほどの金額が即座に振り込まれた。

だが、玲奈は冷たく告げる。「おめでとう、最初の罪悪感(ファーストギルト)へようこそ。でも安心して。次のターゲットは『経済的抹殺』だから、もっと簡単だよ?」

終わりの見えない非道なクエストの連鎖。この東京で、一体何人のプレイヤーが、人の尊厳を壊し合っているのか?運営者の目的は何なのか?玲奈は敵か、味方か?心と倫理が壊れていくサバイバルゲームの幕が、今、静かに上がった。

この改修によって、物語は単なる「命の奪い合い」から、「人間の尊厳を破壊し合う」という、より陰湿で心理的な恐怖へとシフトしました。

主人公の葛藤も「殺すか殺されるか」という単純な二元論から、「どの罪なら許されるのか」という、答えのない問いへと深化します。

これこそが、AIのアイデアに人間の創造性を加えるということの真価です。

このように、AIのアイデアを鵜呑みにするのではなく、自分のクリエイティビティを掛け合わせることで、物語はより深く、オリジナルなものへと進化します。

最後に、この一連の実験から見えてきた「AIとの賢い付き合い方」について、まとめていきましょう。

結論:最高のAIの相棒とは?

ChatGPT o3とGemini 2.5 Pro、二つの巨大な知性に同じお題を投げかけた、今回の実験。

それは、単なる性能比較に留まらず、我々人間がAIとどう向き合うべきかという、一つの答えを示してくれたように思います。

この記事を読んでくれたあなたなら、もうお分かりでしょう。

最高のAIの相棒とは、最も高機能なAIでも、最も多くの情報を知っているAIでもありません。

それは、あなたの「もっと面白くしたい!」という創作意欲を、最も強く刺激してくれるAIです。

今回の対決で、Geminiが提示したプロットは、確かに独創的でした。しかし、真に物語が輝きを放ったのは、我々人間が「このテーマは重すぎる」と悩み、「『排除』の定義を変えられないか」と知恵を絞り、クリエイターとして自分の色を加えて改修した、あの瞬間だったのです。

AIが提示するのは、あくまで最高の「原石」に過ぎません。

その石をどう磨き、どんな形にし、誰に届けたいかを決めるのは、いつだって我々クリエイター自身。AIに「完璧な答え」を求めるのではなく、いかにして「面白い壁打ち相手」になってもらうか。それが、これからの時代に求められるスキルでしょう。

最後に、この実験から見えてきた「AIとの賢い付き合い方」を3つのヒントとして、あなたに贈ります。

AIとの賢い付き合い方 3つのヒント

  1. AIは、複数使って「個性」を楽しめ。一つのAIに固執せず、複数のAIに同じ質問を投げてみよう。それぞれの「クセ」の違いから、思わぬ化学反応が生まれる。
  2. 「完璧な回答」ではなく、「面白い原石」を探せ。AIの回答に、少しでも「ん?」と引っかかる部分があったら、それがチャンスだ。「どうすればもっと良くなるか?」と考えるプロセスこそが、オリジナリティの源泉になる。
  3. 最終決定権は、常に「あなた」が持つ。AIはあくまで優秀なアシスタント。どんなに素晴らしい提案をされても、自分の作品の舵取りをAIに任せてはいけない。最後に信じるべきは、あなたの「こっちの方が、面白い!」という直感だ。

さあ、今度はあなたの番です。

AIとの対話を楽しみ、あなたにしか作れない、新しい物語を世界に叩きつけましょう。

プロットが完成したら次はネームを作成しましょう、詳しくは以下の記事から

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