この記事を読んでわかること
- キャラクターの一貫性が崩れる理由と解決法
- LoRAの基本と限界
- LoRA+外見プロンプトによる安定した漫画づくり
静かに始めたはずの物語が、ふいに足元を崩してくる。
AIで漫画を描いてみよう。 ただ、それだけの好奇心だった。
言葉を並べ、ボタンを押し、画面に現れた主人公の顔。 悪くない。……けれど、昨日の彼とは少し違う。
目元の影が深すぎる。髪の分け目が逆だ! 声にならない違和感が、静かに胸をざわつかせる。
原因は自分? AIの仕様? それとも運?
答えを探す中で出会ったのが、LoRA。
それは、期待に応えてくれる、静かな仕組みだった。
足りないピースを、ひとつずつ拾っていくように。 キャラクターの一貫性を整えるための試行錯誤は、そこから始まった。
LoRAとは?初心者でもわかる基本解説
LoRAって、正直よく分からなかった。
最初はStable Diffusionでしか使えない技術だと思い込んでいた。
でも実際には、Anifusionのようなツールでも使えるし、Freepikでは「My Characters」っていうLoRAに近い機能もあったりして、意外と広がりを見せていた。
LoRAっていうのは、AIに「このキャラはこうなんだよ」って、ちょっとだけ主張する方法だった。
大きなAIの頭の中に、こっそりメモを貼るような感じ。 「この髪型、忘れないでね」とか、「この服装を崩さないでほしいな」とか。
一度覚えさせてしまえば、あとはそのキャラのらしさを何度でも呼び出せる。
もちろん万能じゃない。けれど、思った以上に頼れる存在だった。
漫画を描くなら、キャラの顔が毎回違うなんて困る。 LoRAは、そういう地味だけど大事な部分にこそ効いてくる。
そう思ったら、ちょっと面白くなってきた。
Anifusionで漫画を作る前にしておきたい事前セッティング
AIで漫画を作るとき、「キャラが安定しない」という悩みは避けて通れない。たしかに、LoRAを使えばかなり一貫性は高まります。 しかし、それだけでは完璧とはとても言えない。
だから、もうひとつ補助的な工夫を取り入れています。それが、「キャラクター特徴プロンプト」の活用です。
キャラクターの特徴を英語プロンプトにして保存しておく
Anifusionでは、キャラクターの外見。たとえば、髪型、服装、年齢、雰囲気などを英語プロンプトにまとめて記憶させておきます。
一度このプロンプトを登録しておけば、必要なときに呼び出して使うことができる仕組みです。保存されるのは画像ではなく、プロンプト内容そのものです。
これにより、毎回プロンプトを手打ちする必要がなくなり、安定したキャラクター生成が可能になります。
呼び出した後、シーン内容を追加して使う
キャラクターの特徴を呼び出したあと、その上に「今回のコマのシーン」を追加していきます。こうすることで、外見はそのまま、シチュエーションだけを変えた画像が作れます。
LoRAを組み合わせてさらに安定させる
もちろん、ベースにはLoRAも使います。髪型や服装といった外見的な特徴をLoRAが補強してくれるので、LoRAと特徴プロンプトの組み合わせでキャラクターの一貫性がぐっと高まります。
品質タグも忘れずにオン
品質タグをオンにすると、髪の毛や服の質感、背景の描き込みなど、全体のクオリティが向上します。漫画制作においては、細部の表現が非常に重要なので、必ず設定しておきましょう。
実際にやってみた!LoRAを使って3コマ漫画を制作

※この画像は、実際にAnifusionを使って作成した3コマ漫画の例です。LoRAと外見プロンプトの組み合わせでキャラクターの一貫性を保ちながら制作しています。
理屈はわかった。でも、本当にそんなにうまくいくの?……というわけで、実際に3コマ漫画を作ってみることにしました。
使ったのは、Anifusionというブラウザベースの画像生成サービス。その中の「コミック/漫画から漫画を作成」機能を使って、キャンバス上に3コマのテンプレートを配置。
コマごとにLoRAを適用し、以下は、実際に使った英語プロンプトの例です。
● 1コマ目(困っている主人公)
A young man sitting in front of a laptop, looking confused and worried. He holds his chin with one hand, thinking deeply. The background shows a cozy room with a desk and books.
※日本語訳:ノートパソコンの前で困った様子の若い男性が座っている。片手であごを押さえ、考え込んでいる。背景には机と本棚があり、落ち着いた部屋の雰囲気。
● 2コマ目(操作を見つけてワクワクしている)
The young man looking at a computer screen with excitement. The screen shows comic panel templates. He points at the screen with a smile, excited to start creating.
※日本語訳:パソコンの画面を見つめながら、うれしそうな表情を浮かべる男性。画面にはコマ割りのテンプレートが映っており、彼は指を差して創作を始めることにワクワクしている。
● 3コマ目(やる気満々で笑顔)
The young man sitting straight with determination, ready to start creating a comic. He smiles brightly, full of confidence. The computer screen glows in front of him.
※日本語訳:やる気に満ちた表情で背筋を伸ばし、漫画制作に取りかかろうとする男性。画面が明るく光り、彼の顔には自信にあふれた笑顔が浮かんでいる。
プロンプトの前には、キャラの外見を安定させるために用意したカスタムプロンプトをセットし、自作のLoRAを読み込ませています。
ネガティブプロンプトは使用せず※1、品質タグをオンにしました※2。
※1 「こうなってほしくない要素」を除外するための指示ですが、今回は特に不要でした。 ※2 品質タグを使うと、より精度の高い画像が出やすくなります。
作ってみて感じた効果と気づき
まず驚いたのは、キャラの安定感です。髪の流れ、服装、表情。どのコマも、同じキャラがちゃんとそこにいる感じがした。
これまでのように「なんとなく似ているけど微妙に違う」ではなく、「同じキャラだと自然に感じられる」画像が出てきたんです。
表情の違いがあっても、顔立ちや服装に一貫性があったのは、LoRAと外見プロンプトの効果だと感じました。表情そのものはプロンプトで調整した部分です。
また、プロンプトに細かく指定を書かなくても済むようになり、シーン作りに集中できるのも大きなメリットでした。
LoRAとプロンプトを活用して安定したキャラ表現ができるようになりました。AI漫画を作る全体の流れについては以下の詳しく書いています。あわせてどうぞ。詳しく書いています。あわせてどうぞ。

まとめ|LoRAでキャラが安定すると漫画が楽しくなる
理論としてのLoRA、そして実際に作ってみた3コマ漫画。
両方を通して実感したのは、「キャラクターが安定していると、漫画の楽しさがまるで違う」ということでした。
私も最初は、正直どう扱えばいいのか迷っていた。 でも今では、AI漫画を描くときの土台として、手放せない存在になっています。
Anifusionのようなサービスと組み合わせれば、初心者でも気軽に一貫性のある漫画を作ることができます。
もしこれからAI漫画に挑戦しようとしているなら、LoRAと特徴プロンプト。 きっとあなたのいい相棒になってくれると思います。

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